養老孟司:バカの壁

人生でぶつかる様々な問題について、そこに立ちはだかるバカの壁の意味を考えている本。

バカの壁 (新潮新書)

バカの壁 (新潮新書)

読んでいる時に「著者が言いたいこと」を探していたのですが、それは今となっても良く分かりません。ただ脳の専門家として書かれている事の中で、興味をそそられる内容がいくつもありました。

文武両道とは、学習したものを脳で思考し、アウトプットとして出していくという事だと言っています。本を読んだり何か聞いたりするだけでなく、そのインプット情報を脳で処理していく、思考すると言うこと。または行動としてアウトプットしていくことが大事だと。

確かに何かをInputされた自分はそれを暗記するのではなく思考し行動することで、それまでとは違う自分に変わっていくことができると思います。同じInputの情報があっても、昨日までとは違った見方が出来る。仕事で大きな懸案事項がある場合長期にわたってその問題と付き合っていく事がありますが、解決の為の調査や検証はコツコツやるしかありません。それをやらなかったら何も進まない。コツコツ少しずつ自分が変わることによってアウトプットが高くなっていきます。
私の場合は思考が妄想・想像レベルで終わってしまう事がよくあるので、何かの行動につなげる訓練をする必要があると思っています。ブログを書いているのもある意味その為で、見聞きした事や調べた情報をまとめ、文章として残す事で自分自身の中で消化不良が解消されることが多いですね。

著者が言うのは、「変わらないのは情報」であって「人間は変わるものだ」ということ。平家物語に「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」と書かれているとおり昔から諸行無常という考え方だったのに

戦後の日本人は「働かなくても食える」という状態になりたくて必死に働いた。今は誰もが食えるようになったのに、「失業問題が深刻だ」といっている。

人間は変わっているのに社会の目的は変わっていない。戦後に「働かなくても食える」という目標を立てたという情報はもちろん変わらない。だけどその目標が現在も同じように捉えられているのはおかしい。と確かに思います。

読む前は著者のことを「態度が悪くてやな感じ」と少し思っていましたが、この本を読んでブログに書いてみて、印象が変わったと思います。では次はあんまり評判が良くない「超バカの壁」を読んでみましょう。


読む前のコメント

バカの壁を読む前にバカの壁読まなきゃと図書館で借りてきた(2007.2.10)