池波正太郎:原っぱ


妻が図書館で借りてきたので便乗読みしました。

劇作家を引退した主人公が、数十年ぶりに都心の地下鉄駅で小学校時代の先生に遭遇する。先生はホームレスになっていた。当時から酒飲みだった先生に密かに差入れをするが程なくして先生はねぐらを変えてしまう。当時の思い出の品を残して・・・・

原っぱ (新潮文庫)

原っぱ (新潮文庫)

元劇作家の主人公と女優である娘、母親の舞台を見て感動する孫など、家族の距離感や世代交代の様子が楽しく、深く、さっぱりと描かれている。登場人物と共に変わっていく様子を描かれた東京の町も興味深い。私が以前住んでいた、銀座線田原町のとなり「稲荷町」が舞台だ。