自分の小さな「箱」から脱出する方法
著者:The Arbinger Institute アービンジャー インスティチュート
監修者:金森 重樹
タイトルから啓発本である事はわかりますが、正直この手の本は実践に結びつけるのが難しいと思います。その点で本書は、主人公と転職先の上司や役員といった登場人物の会話をベースに即実践につながるような内容を学ぶことができました。
会話形式である為かここ最近の中で一番読みやすかったです。(4時間くらいで読了)
- 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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キーワードは「自己欺瞞」「正当化」「相手への攻撃」「共通目的」といったところでしょうか。
本書では仕事とプライベートの両面からよくある状況をテーマにしてある事が、理解しやすい要因になっています。
タイトルには"箱"という表現がありますが、本書内でも『最初は"箱"という表現は避けるべき』とあったので、それに習って自分で伝えられる言葉で書きたいと思います。
主人公が、元の上司や妻の事を"あいつはどうしようも無い奴だ!"と思い、自分はそのせいで被害を受けていると考える状態から始まります。本当に誰にでも似たような経験があるのではないでしょうか。主人公の考えでは"あいつはどうしようもない"という評価がスタート地点になっている訳ですが、「本当にそうなのか?」「本当にどうしようもないのか?」「最初からどうしようもないのか?」という風に疑うことを知り、本当の姿を探っていきます。
今まで自分が抱いていた認識は、実は自分で自分にうそをつき、また"被害を受けていてかわいそうな自分"を正当化するために相手を"悪いやつ、どうしようもないやつ"という風に仕立てあげた結果であることに気づいていきます。最後には、なぜだか分からない、どうやったからなのか分からないけど、昨日と今日で相手への接し方が変わって良い関係になった。それが単純に"気づき"がきっかけであるというのです。
私が一番ポイントだと思ったのは、「自分で自分にうそをつき、・・・・」といった状態に陥る危険性が、常に誰にでも存在し、実際にそうなってしまう事が多い。ということ。諸行無常という言葉があるように、自分の置かれている環境や進んでいる道というのは常に変化していくものなのに、人間というのは今日の"安定"を明日も味わいたいと考えるものだから、自分に都合の悪いような事はできるだけ相手が悪い事にしてしまいたい。そうやって「自分は自分」を守りたい。と考えるのだそうです。
私は常々、「変化しないのは"常に変化する"という事」という風に考えるようにしています。
自分で自分を騙す事、相手を攻撃してしまうこと、これからもあるでしょうが、"そうなる事もある"という事を常に意識しておいて、自分がそういう状態なのかな?と思ったときにすぐに勇気をもって"変化"していきたいと思います。